熱砂の王宮

男が低く口笛を吹くと、どこからともなく駱駝が姿を現した。
中東の王国ハマーンで、極秘プロジェクトを進めていたペイジは、深夜、研究所に一人でいたところを見知らぬ男に誘拐されてしまう。
男は、彼女が実験中の病原体の解毒剤について知りたいと言い、ペイジを研究所から連れ出して、駱駝で砂漠に乗り出した。
やがて、ターバンに隠されていた男の顔があらわになると、ペイジは思わず息をのんだ。
彼は怖いほど美しかった。
濃いオリーブ色の肌、漆黒の髪……。
そして頬には刺青があった。
しかもそれは、スルタンの圧制に苦しむ人々が待ちわびる、革命のシンボルのアラビア文字だった。
この人はいったい何者? ペイジが聞き出した彼の素性は、驚くべきものだった。
「ジャック……ジャック・ソーアー?」「今の僕はジャック・ソバージュだ」深夜、マンハッタンのオリビアのアパートメント。
部屋のドアを開けたとたん、目の前に現れたジャックを、オリビアは信じられない思いで見つめていた。
彼はフランス人風に名前を変えているけれど、語りかけてくる低い声は相変わらず魅惑的だった。
十六年前と変わらずに……。
でも、あのとき何があったの? 彼の力強い腕に抱き寄せられ、激しいキスを受けながらも、次々と押し寄せる疑問に、オリビアは茫然とするばかりだった。
十六年前、従姉妹が殺され、彼が指名手配されたあのとき……。
アーンショウ家の主人に拾われ、嵐が丘へやってきた孤児のヒースクリフ。
主人が亡くなるや、彼は若主人ヒンドリーによって使用人に格下げされ、虐げられるが、亡き主人の娘キャサリンとはいつしか深く愛しあうようになっていた。
ところが、キャサリンはヒースクリフを裏切って、資産家の息子エドガーと婚約してしまう。
それを知ったヒースクリフは絶望に打ちひしがれて嵐が丘を出る。
そして数年後、彼は莫大な金を手に嵐が丘へ戻ってくるが、その胸には激しい復讐心が渦巻いていた……。
子の代にまで及ぶ、ひとりの男の愛と憎しみを描いた、究極の恋愛小説。
幼くして両親を亡くしたジェイン・エアは、おばのミセス・リードに引きとられるが、おばやいとこたちの冷たい仕打ちにつらい日々を送っていた。
やがて寄宿学校に入れられ、親友と呼べる少女に出会ったものの、待っていたのは悲しい別れだった。
逆境にありながら勉学に励んだジェインは教師となり、住みこみの家庭教師の職を得る。
ミスター・ロチェスターという貴族の養女を教育する仕事だ。
ミスター・ロチェスターは無愛想でそっけない男性だが、ときおりのぞく誠実さにジェインはいつしか惹かれていく。
彼には恐ろしい秘密があることなど、知るよしもなく……。
まったく、なんて尊大で鼻持ちならない人なのかしら。
エリザベス・ベネットは舞踏会で出会ったダーシーの高慢な態度に反感を抱いた。
しかもわたしのことを“悪くはないが、あえて踊りたいと思うほどの美人ではない”と言うなんて。
いくら大金持ちで地位が高くても、そんな男性はこちらから願いさげだわ。
その後ダーシーから気のあるそぶりを見せられるが、エリザベスは決して応じようとはしなかった。
そんなときハンサムな将校ウィッカムに出会い、引かれていく。
そしてウィッカムからダーシーの悪評を聞き、ダーシーに対してますます反感を募らせるのだが……。
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